綿毛布は羽毛布団の上?それとも下に掛けた方がいい?

毛布は羽毛布団の上に掛けた方がいいと聞いたことありませんか。
でももしあなたが高級な毛布を使っているとしたら、羽毛布団の上に掛けるのはもったいないと思いませんか。

なぜなら羽毛布団の上に掛けるのであれば、どんな毛布でも一緒だからです。
もちろん保温性の違いはあれど、高価なシルク毛布などは保温性が売りではありませんから、羽毛布団の上に掛けるのであれば、全くシルク毛布の良さを発揮できないからです。

ですから正解を言うのであれば、シルクやウール、綿などの天然繊維系の毛布であれば、羽毛布団の内側に使った方が良いといえます。
そもそもなぜ毛布を羽毛布団の上に掛けた方が良いといわれるようになったのでしょうか。

羽毛布団が日本に普及するようになったのは1960年頃ですが、その頃日本で一般的に使われている毛布は化学繊維のものが多く、羽毛布団との相性は良くありませんでした。
そのころの毛布は肌ざわりと気持ちよさを重視して、つるつるすべすべになるよう細い繊維を使用しておりました。

そのため、毛布の上に羽毛布団を掛けるとすべってしまって寝ている間に寝返りなどで羽毛布団がずれてしまうという欠点があったのです。
暖かさでいえばメイン寝具である羽毛布団が上で、その暖かさを補完するために毛布を使用するのであれば、羽毛布団がずれてしまっては本末転倒というわけです。

羽毛布団を体に掛けると吸い付くように体にフィットしますが、これをドレープ性といいます。
このドレープ性のおかげで冷気の侵入を防ぐことができ、寝ている間に布団が剥がれにくくなるのですが、毛布を内側に使うことでこのドレープ性が全く生かされなくなるので、羽毛布団の上に毛布を掛けた方が良いといわれるようになったのでしょう。

一方で天然繊維の毛布を羽毛布団の内側に使ったほうが良い理由ですが、毛布を肌着、羽毛布団を上着と例えると分かりやすいかもしれません。
肌着はその通り、肌に近い場所で着用しますし、上着を裸のまま着る人もいませんね。

肌着は綿素材のものが多く、汗を吸ってくれるため、お布団も綿毛布などの天然繊維を羽毛布団の内側に使ったほうが心地よいのです。
さらに湿気をコントロールすることで吸着熱という働きを利用して吸湿発熱効果があり、朝方までしっかり暖かいのは天然繊維なのです。
一方化学繊維、たとえばポリエステルの肌着などは汗を吸ってくれないので、肌の近くで使うことにあまり向いていないのです。
もちろん化学繊維の肌着でも暖かいですが、天然繊維のように汗を吸ってくれないので、湿度をコントロールすることができません。

洋服ならまだしもお布団の中は洋服よりも温度が高いですし、寝ている間に汗もたくさんかきます。
肌着以上に毛布の吸湿性というのは湿度をコントロールするという意味でも重要なのですね。

そのため化学繊維の毛布では羽毛の温度や湿度をコントロールする力を損ねてしまうため、羽毛布団の内側に使うことはおすすめできないのです。
綿はポリエステルの20倍もの吸湿性があるといわれておりますし、シルクやウールは約30倍から40倍も吸湿性があるので、綿毛布やシルク毛布、ウール毛布は是非羽毛布団の内側に使っていただきたいのです。

ちなみに羽毛の吸湿性は綿やシルク、ウールよりさらに高いと言われていますが、羽毛布団の側地がポリエステル100%で高密度であると、羽毛の吸湿性が発揮できないのでご注意ください。
天然繊維の毛布でも羽毛布団がずれやすいという場合は、すべりにくい羽毛布団も出ていますし、毛布とカバーが一体化した寝具も出てきていますし、そちらを使ってみてもよいでしょう。

また海外、特にドイツではベッドが主流ですから、羽毛布団がずれてベッドから落ちないようにベッドスプレッドを羽毛布団の上に乗せて使っています。
ベッドスプレッドはホテルでも見かけたことがあると思いますが、掛け布団の上に乗せる厚めの生地のことですね。

ホテルのような寝室を作りたいのであれば、このベッドスプレッドを採用し、ベッドメイキングしてみても良いかもしれませんね。

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